やませをもたらす気流の厚さはせいぜい一〇〇〇m内外なので、一五〇〇mに近い高さの脊梁山脈を越えることはできません。
このため、やませによる冷害は日本海岸の秋田・山形の稲作地帯には及ぱないことが多いのです。
どっかりと腰をすえたオホーツク海高気圧の南端からしぼり出された小さな寒冷細胞が、親潮上を次から次へと南西へと流れ三陸沿岸に達しています。
寒冷な空気塊のふちは関東平野の太平洋岸にまで及んでいます。
1980年夏の近来にない大冷害の時は、オホーック海高気圧は日本海を渡って朝鮮半島の東海域を覆い、韓国の稲作に厳しい冷害をもたらしました。
オホーツク海高気圧と青森での”やませ”の発生頻度との年変化曲線も示されています。