機械化による省力効果 その2

手摘みなら、熟練者でも1日にせいぜい15kgだったが、可搬式摘茶機を使うと、一台でもフル稼動させれば1日に1000kgもの収穫ができるようになったという。

単純にいえば66倍以上になる。

「のどかな手摘み」と書いた。

しかし、他の全ての農作業も同じだが、「のどか」に感じるのは、見ている人間であって、作業をしている当の本人にとっては、けっして楽ではない。

農業にせよ漁業にせよ、気まぐれな自然を相手にする仕事は、それを知らぬ者には想像できぬほどに厳しい。

情緒や風情なんぞは、当事者にとっては全く無縁と言ってもいいだろう。

残留農薬検査

機械化による省力効果 その1(残留農薬検査)

八十八夜というのは、立春から数えて88日目、5月の1日から2日ごろで、農家にとっては、種まきや野良仕事で忙しい。

お茶の産地の静岡あたりでは、ちょうどこのころが「一番茶」の茶摘みが真っ盛り。

季節感にあふれる歌と言いたいところだが、どうも最近では、この歌詞ほどの風情はない。

「あかねだすきにすげの笠」をかぶった娘さんの姿は、もう見られないだろうし、第一、のどかな手摘みではなく、機械刈りに代わっているのが、最近の実態である。

「けたたましい音を響かせるバリカンのお化けのような機械には、もはや風情のかけらも感じない」と嘆く人も多いが、しかし、機械化による省力効果はすさまじい。

残留農薬検査

重要な要素の一つ

千葉、茨城の両県は、大消費地の首都圏に近いという立地条件を生かし、近郊農業では比較的優位であった。

しかし、最近は鮮度保持力のある流通資材が開発され、物流、輸送の近代化が著しく進み、北海道や九州の農産物と競合する場面もしばしばだという。

日本農業全体が近郊農業化している、という言葉もあるほどで、やはり厳しい産地間競争の中にある。

消費地に近いなど、多少の条件に恵まれているといっても、生産効率や品質の向上に努めていなければ、たちまち追い落とされてしまう。

競争に勝ち抜くための栽培技術の、重要な要素の一つとして、農薬が必要であるようだ。

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