第二次大戦前の一時期と昭和一桁時代だけが、文字どおりの「コメ主食」時代。
それ以外は「願望としての主食」であったり「残映としての主食」なのではなかろうか。
ちょっと違ったデータで「日本人の主食コメ論」は過去の残映ではないか、ということを検討してみよう。
まず国民の摂取カロリーに占める比重。
農水省の「食料需給表」によると、日本が高度経済成長をスタートさせた1960年頃には、国民一人一日当たりの供給熱量は二二九〇・六キロカロリーで、その四八・二%はコメで供給されていた。
摂取カロリーの約半分である。