また見方をかえると、一九五〇年から1989年までの四〇年ほどの問に、世界の人口は二七億ほどふえたことになるのですが、先進地域ではわずか四億しかふえていません。
発展途上地域で二三億の人口がふえた。
これが第二次大戦後、今日に至るまでの世界人口の増加のきわめて重要な特徴です。
世界の人口がふえたといいますけれども、そのほぼ八五%は、発展途上地域での人口の増加であります。
じつは、人類史の中で産業革命が終わったころ、すなわち一八世紀ごろに、世界人口が大幅にふえた時期がありますが、このときは、今日の先進地域の人口が圧倒的にふえたのであります。
そして、第二次世界大戦後の今日、世界入口の爆発的増加は、圧倒的に発展途上国での増加であり、ここに世界の人口問題の危機の大きな特徴があります。