農薬を使わないと農業はできない その2(残留農薬検査)

野沢菜のルーツである小瀬菜(こぜな)なんかがそうだし、コメでも、赤米系のクロゴメのような原始的な品種も同様です。

ただ、問題なのは、それで商品作物になるかどうかです。

最近のグルメ志向で、変わったものや昔のものが、一部の人には珍重されていますが、あくまでも稀小価値としての人気でしかないんです」

渋谷さんが熱心なのは、作物の生理、生態だけではない。

もちろん、農薬についてもいろいろと研究している。

たとえば除草剤については、「散布回数の多いところではやや収量が劣る傾向がある」という印象をもっているという。

残留農薬検査

農薬を使わないと農業はできない その1

渋谷さんは、「現状から言うと、農薬を使わない農業はできないと思います」と、まず結論を述べてくれた。

「作物というのは、本来野生のものです。

それを品種改良して、大量生産できるようにしてきたのが農業の歴史です。

野生に近い状態にしてやれば病気や虫がつきにくいということはありませんが、同一種を密生させることで、被害が出やすくなっているとは言えるでしょうね。

それから、植物の種類によっては、病気や虫に強く、放っておいても自然に育つ品種もあります。

そういうものなら、農薬を使わなくても、”栽培”は可能です。

残留農薬検査

栽培上の工夫 その2(残留農薬検査)

ちなみに、板野さんの栽培技術では、経済樹齢は十五年ぐらいで、幼木の三年間は、深耕と堆肥入れで徹底した土づくりをして樹を育てるのだそうだ。

俗に、桃栗3年柿8年という通りだ。

4年目からは、果実を成らせて低木仕立てにし、主枝を安定させ、一定の高さを保つために『ツリ棚方式』を導入して、作業の省力化を図ってもいる。

もう少し細かい点に触れると、植栽密度は7m×7mで、10反当たり20本の樹が植えられているから、板野さんは、清水白桃を200本栽培しているわけだ。

そのほかにも、栽培上の工夫は多い。

残留農薬検査