特殊毒性にはいき値がない

特殊毒性と一般毒性の大きな違いの1つは、毒物の投下量(摂取量)と毒性の発現・発症率の関係にいき(閾)値(しきい値ともいう)があるかないかです。

般毒性の場合、一定の量以下であれば毒性の発現(発症)がありません。

このことをいき(閾)値があるといいます。

これに対し特殊毒性の場合、どんなに微量であっても、投与量がゼロにならなければ毒性の発現があります。

これをいき値がないといいます。

こうしたことからアメリカでは58年、食品・医薬品・化粧品法に「ヒトまたは動物に対して発ガン性を示す物質は食品添加物としての使用を無条件に禁止する」という原則が取り入れられ、提案した国会議員の名前をとってデラニー条項と呼ばれてきました。

しかし96年8月、発ガンリスクゼロをめざしたデラニー条項が、無力にされる法案(食品品質保護法)が採択されました。

残留農薬検査

農薬の毒性

農薬の毒性については、日本では必ずしも安全性の基準や規制が明確でない、発ガン性などの特殊毒性がまず問題になります。

実際、わが国ではガン死亡者が増加し続けていますが、食品中の残留農薬もガンの重要な原因の1つと考えられています。

農薬の毒性には、一般毒性と特殊毒性がありますが、発ガン性をふくめ特殊毒性は大変恐ろしい毒性です。

残留農薬検査

残留農薬と食品汚染

食の安全に対する国民の不安のなかで、残留農薬問題は大きな問題の1つです。

とくに、輸入食品の多くが殺虫剤、殺菌剤などポストハーベスト農薬で処理されていることがわかって以来、輸入食品への警戒心が高まっています。

また、ガット・ウルグアイ・ラウンドやWTO協定によって日本の残留基準が国際基準への「平準化」の名で次つぎにゆるめられていることも大問題です。

発ガン性など特殊毒性の問題をふくめ、残留農薬の安全をあらためて考えてみましょう。

残留農薬検査

メーカーの毒性試験データさえ公開されない

この事件を通じて、政府が安全とする農薬の基準も発ガン性については、必ずしも安全といえないことがわかります。

発ガン性など遺伝子を傷つける特殊毒性を持つ農薬は、それがたとえどんなに微量であっても影響があるという特徴があります。

また、その毒性試験は動物実験ですが、実験動物と人間では毒物に対する反応が違いますから、動物実験で大丈夫といっても人間には毒である場合もあります。

したがって、農薬の毒性というまだまだ未知であり未解明の毒性に対しては、「疑わしい場合は使わない」という原則をつらぬく必要があるのではないでしょうか。

アメリカでは、発ガン性として使用が禁止されている農薬も、日本では使用されているものもあります。

ところがわが国では、メーカーがおこなう毒性試験データさえ公開されていません。

本当に安全かどうか国民が知る権利は保障されていない状態です。

農薬の安全性の問題でも、情報公開制度の確立と食品安全行政に国民参加を実現する課題が大きくクローズアップされています。

残留農薬検査

疑問視されながらも、販売が続けられた その4

疫学調査というのは、多発する病気の原因、病原地を患者集団やその環境の特徴などから解明していく調査です。

山本教授が、胆のうガン多発の原因としてCNPを疑い、しぼり込んでいく過程は興味深いものです。

おなじ新潟県でも、胆のうガンが少ない地域は、水田から流れ込む河川の水を飲料水とせず、ダムから引いた農薬のない水を飲んでいることがわかりました。

一方、ガン患者が多い地域では水道水からCNPが検出されること、CNPが動物実験で胆のうに濃縮されるデータがあることなど、まるで推理小説のような追究がおこなわれました。

残留農薬検査

疑問視されながらも、販売が続けられた その3

時は水田除草剤の3割を占める農薬でした。

昨年前、新潟県の胆のうガン患者が全国平均の2倍も多いことが指摘されました。

新潟大学医学部の山本正治教授のグループが疫学調査をおこなった結果、胆のうガンの多発地帯とCNPを大量に散布し、水道水からも検出される地域に相関関係があることが93年1月に発表されました。

この報告を受けて厚生省の残留農薬安全性評価委員会が検討した結果、日本ではじめてADI(1日摂取許容量)の設定が取り消されたのです。

残留農薬検査

疑問視されながらも、販売が続けられた その2

CNPは65年、3井東圧化学が開発、30年間にわたって使われてきました。
昨年の農薬取締法の改正で、慢性毒性・発ガン性試験のデータの提出が農薬メーカーに義務づけられて以降も3年ごとの農薬の再登録にパスし、「安全だ」とされてきた農薬でした。

じつは、77年、厚生省はCNPについてADI(1日摂取許容量)を設定したものの、安

全性試験のデータが、専門委員会で問題にされ、追加試験が求められました。

その後メーカーが提出したデータはいずれも専門家を納得させるものでなく、4度もデータの再提出が求められました。

しかし、この間、17年間にわたりCNPは製造・販売・使用し続けられました。

残留農薬検査

疑問視されながらも、販売が続けられた その1

94年3月、厚生省は水田除草剤CNPについて「胆のうガンとの因果関係は明確ではないが、ガン死亡率との相関関係は認められる」と発表しました。

そして、CNPのADI(1日摂取許容量)の設定を取り消しました。

ADI(1日摂取許容量)は、毎日摂取し続けてもそれ以下の量であれば健康上、問題にならないとされている量で、クロルニトロフェンの場合、1日あたり体重1キログラムにつき、0・00204ミリグラムが設定されていました。

厚生省の設定取り消しを受けて、農水省はCNPの使用自粛を通知、メーカーの3井東圧化学も製造・販売を自粛したうえ製品を回収することになりました。

残留農薬検査

無視された安全性-発ガン性除草剤CNP

政府、製造企業、研究者が危険を知っていながら、化学物質の安全性データを隠したり使用禁止の措置を採らなかった結果、多くの国民が死に追いやられる。

こんなことは絶対あってはならないことです。

ところがHIV(薬害エイズ)事件は、国家による殺人さえまかり通るとい

う日本の政治の遅れ、官僚のモラルの低さ、企業の非人間性をまざまざと示しています。

農薬の問題でもこれによく似た事件があります。

除草剤クロルニトロフェン(CNP)事件です。

残留農薬検査

数え方しだいの検出率 その2

この違いは次のような統計の取り方の違いが原因となっています。

たとえば、農産物10品目についてそれぞれ10農薬の検査をしたとき、1品目から1農薬が検出された場合、厚生省の検出率は、調査農薬延べ100件に対して1件検出として、検出率1%としています。

東京都の場合は、10品目中1品目からの検出で検出率10%としています。

この集計方法の違いによって検出率に大きな違いがでています。

厚生省の検出率の数え方では、検出されそうにない農薬をたくさん検査すれば検出率は下がることになります。

農薬の検出される農産物の割合をあらわす東京都の検出率のあらわしかたの方が適切でしょう。

この点からみると、厚生省が主張する「わが国で流通している農産物における農薬の残留レベルは低い」(厚生省生活衛生局食品化学課編「食品中の残留農薬」)との見方は問題があります。

残留農薬検査

数え方しだいの検出率 その1

ところで厚生省は96年9月「食品中の残留農薬」と題する冊子を発行し、厚生省、地方自治体などが94年度におこなった調査結果を初めて公開しました。

これによれば、農薬の検出率は輸入品で検査農薬数の0・95%、国産品で0・60%になっており、輸入品の方が国産品より1・5倍、農薬の検出率が高いという結果がでています。

ところが、東京都食品監視指導センターの94年度の輸入農産物の調査結果では、農薬の検出率は20・0%と報告されており、厚生省の調査結果とはケタが違います。

残留農薬検査

国内産は安全か

さまざまな分野で輸入農産物や食品に多くの問題があることが明らかになっていますが、それでは、国内産はどうでしょうか。

輸入農産物とともに国内産の検査をおこなっている東京都食品検査センターの調査結果をみてみましょう。

この調査によれば、93年度の農薬検出率は36・1%、94年度の検出率は20・0%と報告しています。

このうち、くん蒸に使用される臭素化合物のみを検出した品目を除くと、検出率は93年度で14・5%、94年度で11・5%です。

この数字だけを見れば、輸入農産物の残留農薬検査の結果とあまり変わらないといえます。

少しくわしく東京都食品検査センターの調査結果をみてみましょう。

国内産の食品に関する94年度の検査結果は以下のような特徴を持っています。

①やはり、輸入農産物の残留農薬は高い
検査対象の食品は90種類、581品目、検査対象農薬は104種類で、農薬が検出された農産物は46種類、116品目(20%)、検出した農薬は1=種類と報告されています。

昨年度の輸入農産物からの農薬検出率は26%ですが、検査対象農薬が67種類と国内産よりずっと少ないことを考えると、やはり輸入農産物の汚染レベルの方が高いと考えられます。

②ポストハーベスト農薬は輸入農産物よりずっと少ない
検出された21農薬のうちポストハーベスト農薬は4種類(19%)であり、輸入農産物の場合(56%)とくらべずっと少ないといえます。

③基準値をこえた6つの農薬
食品衛生法による残留農薬基準をこえたのは、登録保留基準をこえたのはのとおりです。

この調査結果をみると、農薬使用量でずばぬけている日本の農産物の安全性問題をもっと考えないといけないと思います。

④食品衛生法の基準のない農薬が3分の1
検出農薬2一種類のうち、食品衛生法による残留基準がない農薬が7種類と3分の1もあります。

輸入農産物の場合も検出16農薬のうち、基準のないものが6農薬、37・5%ですから、国産、輸入品ともに検出農薬のおよそ3分の1が、食品衛生法に基準のない残留農薬ということになります。

⑤特殊毒性のある農薬が9種類あつた
発ガン性、催奇形性など特殊毒性のある農薬が9種類も検出されています。

クロロタロニル、EPN、ジクロルボス、ジメトエート、フェニトロチオン、チオジカルブ、メソミル、オキサジアゾン、クロルベンジレートです。

このうち発ガン性のある農薬は、クロロタロニル、ジクロルボス、チオジカルブ、メソミル、オキサジアゾン、クロルベンジレートの6種類です。

⑥国産品の安全性も直視を
調査結果をみる限りでは、国産品の場合も農薬汚染が深刻です。

この現実を直視する必要があります。

農作業の労力を省くため殺虫剤、除草剤、殺菌剤など農薬に頼る現在の農業のあり方を変えることが大きな課題であることを、調査結果は示していると思います。

そのためには農業で食える農業政策への転換が、農薬依存型農業からの脱却のカギを握ることを考えなくてはならないと思います。

残留農薬検査

輸入飼料の安全性 その2

食物連鎖を考えれば、人が肉や卵、牛乳や乳製品を食べることで農薬を摂取する危険があります。

飼料の場合、残留農薬基準といっても指導基準であり、罰則もありません。

検査結果がほとんど公表されていないことも問題です。

また96年には、アメリカのトウモロコシの不作と売り惜しみで価格が急騰し、日本の酪農業などが大きな影響を受けました。

こんな事態を避けるためにも、飼料用の稲をつくるなど、飼料自給率の向上が求められています。

コメの減反などもってのほかです。

いずれにせよ、食を輸入に頼る農業破壊は、家畜用の飼料の安全や安定供給でも、のっぴきならないところにきており、政府の政策の根本的な転換が迫られています。

残留農薬検査

輸入飼料の安全性 その1

輸入飼料の安全性はどうなっているのでしょう。

長い間、輸入飼料には残留農薬の基準がありませんでした。
昨年、オーストラリア産の輸入牛肉からDDTやディルドリンなどの農薬が、タイ産のブロイラーからはDDTが検出されました。

いずれも、現地の飼料に残留した農薬が生物濃縮されたためでした。

また、アメリカでは、トウモロコシからカビ毒アフラトキシンが検出される事件が起こりました。

このような事態を迎えるなか、農水省は家畜飼料の有害物質基準を初めて設定しました(88年)。

現在、家畜飼料には、12種類の残留農薬指導基準がありますが、その残留基準は、人間が食べる食品の残留農薬にくらべると、一部をのぞいてゆるくなっています。

現在、わが国ではBHC、ヘプタクロル、ディルドリン、エンドリン、EDBなど毒性が強い農薬は使用が禁止されており、食品からの検出はまったく認められていません。

しかし、家畜飼料の場合は残留農薬指導基準以下ならよいとされています。

残留農薬検査

飼料の残留農薬 その2

わが国の家畜の飼料がどのような状態になっているか調べてみましょう。

飼料には牧草などの粗飼料と、トウモロコシやコウリャンなど穀類からなる濃厚飼料があります。

驚いたのは、飼料の自給率です。
昨年代の終わり頃から自給率は30%を割っています。

飼料の消費量の第1位はトウモロコシで、1279万1000トンですが、ほぼ全量を輸入に頼り、その82・5%がアメリカからの輸入です(92年度)。

5%にあたる2140万トン(94年度)を輸入しています。

国内で作られた肉や卵などといっても、このように家畜の飼料の大半は輸入品なのです。

これを考えると、実際の食料自給率は発表数字よりさらに少ないといえるでしょう。

残留農薬検査

飼料の残留農薬 その1

DDT、BHCという、すでにわが国では使用が禁止されて

久しい農薬ですが、その名前を聞くと、生まれながらに手や足のない子ザルが群れから離れて悲しげな目をしていた淡路島モンキーセンターの奇形ザルのことを思い出します。

モンキーセンターができて29年、その間生まれたニホンザル706頭の新生児のうち、125頭、17・7%に奇形が確認されました。

これは自然界の奇形発生率0・4%の40倍もの高率です(95年)。

死亡した奇形ザルを解剖した結果、内臓からBHC、ディルドリンなどが健常ザルの平均7・4倍もの値で検出されました。

奇形の子を産んだ母親ザルからは、ほかのメスの2倍の残留量が確認されています。

サルのエサには大豆や小麦が使われていますが、アメリカ産がほとんどです。

ところで食用のニワトリや牛などのエサも輸入飼料が圧倒的ですから、奇形ザルの警告を重く受け止めなければならないと思います。

残留農薬検査

心配なアフラトキシン その2

現在、アフラトキシンは穀類、豆類などを汚染し、世界的にも問題となっています。

とくに配合飼料用に用いるピーナッツが問題だと専門家も警告しています。

日本では、市販の輸入ピーナッツバターからアフラトキシンが検出された(71年)のをきっかけに、厚生省は「検出された食品は食品衛生法に違反するものとして取り扱うこと」とする旨の通達を出しました。

アフラトキシンの汚染地域は、熱帯、亜熱帯に広がり、コメの輸出国タイ、アメリカ、中国、オーストラリアはいずれもアフラトキシンの汚染地域です。

厚生省が発表した93年度輸入食品の違反事例で、アフラトキシンが検出された国と、食品をみると、落花生の多いことがわかります。

ある化学者は、絶対にピーナッツは口にしないといいます。

毒グモ事件は記憶に新しいところですが、輸入には日本にない有毒物が入り込む危険があります。

このことはどんなに強調してもしすぎることはないでしょう。

残留農薬検査

心配なアフラトキシン その1

ところで、カビといえば、戦後の食料不足の時代に、輸入されたコメがカビで汚染されていた事件(黄変米事件・おうへんまいじけん)などで知られているカビ毒などとともに、現在知られている自然界最強の発ガン物質といわれるカビ毒、アフラトキシンが心配です。
昨年、イギリスで七面鳥、アヒルのひなの大量へい死事件が発生しました。

原因を追求した結果、ブラジルから輸入した飼料用ピーナッツに付いたカビが生産したカビ毒によることが判明しました。

その毒素がアフラトキシンと命名されました。

アフラトキシンを生産するカビは10数種類あり、アフラトキシンにもB1、B2、C1など16種類あることが知られています。

アフラトキシンは肝臓に対して強力な発ガン性がありますが、270~280℃以上に加熱しないと毒性を消すことができません。

なかでも最強のアフラトキシンB1は、1グラムで4万羽のアヒルを殺すことができます。

したがって、少しでもかびの生えた穀類を家畜に与えることは避けるべきです。

飼料中に含まれたアフラトキシンなどは、家畜の乳や肝臓などから人に取り込まれることになるからです。

残留農薬検査

カビのはえた輸入米

近来にないコメの凶作による緊急輸入米が到着し始めてまもなく、舞鶴港着の第5船のタイ米から、30トンの白いカビにおおわれたコメが発見されました。

緊急輸入米が入ってくるというので、神戸にある輸入食品の検疫センターを調査で訪れたとき、検査官が「航海中にコメにカビが生え、日本に着いたときにはアルコールになっている事態もあり得る」と心配していましたが、現実にカビの生えたコメが到着しました。

カビには、カビ毒(マイコトキシンと呼ぶ)を産生するものがあります。

それが心配で、厚生省に舞鶴着のタイ米のカビはどんな種類なのかを問い合わせたところ、担当官は「舞鶴着のカビ米は商品価値がなく廃棄するので、調べるつもりはない」との返事でした。

どんなカビなのか調べて、その後に備えるのが行政としての当然の責任であるはずです。

緊急輸入米では、その後、神戸港などに到着した中国米からもカビが検出されました。

なかには検査をくぐり抜けて、小売店で発見され、回収された例もありました。

残留農薬検査

ジャガイモの放射線照射 その2

国内では、ベビーフード用の粉末野菜に4年間も違法な照射をしていた事件が78年に発覚しましたが、放射線照射の検出が困難な点をついて悪用していたものです
食品などに放射線を照射すると、分子の鎖が切れてフリーラジカル(遊離基)を生じ、それが周囲の分子と結合して、身体に有害な物質に変わってしまうことがあります。

また、発ガン物質のアフラトキシンが増大するという研究者がいたり、特定の微生物が増大すると主張する学者もいて、消費者としてはまだ疑問が山ほどあります。

しかしWTO(世界貿易機関)体制のもとでは、こういう食品の輸入が、消費者の意志に関係なく自由化されることは、遺伝子組み換え食品の例をみても明白です。

人の健康にかかわる問題は、国民的合意を得てから進めるべきです。

そのためにも、国は放射線照射食品の問題については、将来像とその審議の過程を明確に提示し、十分な時間を取って合意づくりをすべきだと考えます。

残留農薬検査

ジャガイモの放射線照射 その1

そこで急浮上する恐れがあるのが、放射線照射で殺虫、殺(滅)菌する方法です。

食品に放射線や電子線などを照射して保存を図ったものが、放射線照射食品です。

昨年、国連の専門委員会は「いかなる食品も10キロ・グレイ(吸収線量の単位で、放射線のエネルギーが人体や物質にどれだけ吸収されたかを示す量)以下の照射は問題ない。

毒性試験をおこなう必要もない」と断定しました。

それ以来、ポストハーベスト農薬の代わりとしての利用もふくめ、世界各国で放射線照射が急速に普及しました。

わが国では、65年に原子力委員会内に食品照射専門部会を設置して研究をすすめ、ジャガイモ、タマネギ、コメ、小麦、ミカン、ソーセージ、水産練り製品の調査を終えています。

現在、ジャガイモの芽止め(発芽防止)だけが認められ、北海道士幌町で照射しています。

放射線照射食品の輸入は、食品衛生法で「原則として」禁止されています。

しかし放射線照射食品がすでに輸入され、食卓にのぼっていると主張する人もいます。

まさかとは思いますが、照射されたものかどうかの判別が困難で、実態は不明です。

91年に1件ずつ輸入で違反がありましたが、いずれも書類やラベルで判明したものです。

残留農薬検査