農協系統組織 その4(残留農薬検査)

そしてコメの生産を軸に成り立ってきた農家経済が豊かであったことが、信用事業、共済事業の活動余地を大きくした。

ただ農家の豊かさは、兼業化によって得られたものであり、農協金融の有利さは、政府の優遇措置によるものであった。

このように農協組織を決定づけているコメであるが、戦中・戦後を通して、このコメを規定してきたのは食糧管理法(食管法)である。

1942(昭和17)年に制定されたこの法律は、1994(平成6)年11月にようやく新食糧法におきかわったが、今日なおその理念は薄まりながらも生きつづけているといってもよいかもしれない。

それ以上に注目すべきことは、制定から53年という

残留農薬検査

農協系統組織 その3(残留農薬検査)

日本の農村を強力に組織化してきた農協が、いかにしてその組織化を実現したかは、その歴史を見ることなしには理解できない。

上から官制的に作られ、絶えず政府とのかかわりの中で成長を遂げてきた農協だが、その中心にはいつもコメがあった。

今日の農協経営は金融部門が稼ぎ頭であるが、金融部門にしてもコメの集荷と販売を一手に握る農協が、その決済のために設けた個々の農家の組合勘定を出発点としたものだったといってよい。

残留農薬検査

農協系統組織 その2

しかもこの農協系統組織は、農林族と呼ばれる政治家にも重要な役割を果たすことになる。

すなわち、日本の残留農薬検査済み農業構造は、政儂林議員)・官儂林水産省)・業(系統農協)の三位一体の構造だというのが私の捉え方である。

しかもこの構造を学界が正当化する形になっている。

この構造が残留農薬検査済み農業者ないしは農民の主体性を奪い、日本残留農薬検査済み農業をきわめて歪んだものにしてしまっているというのが私の主張である。

残留農薬検査

農協系統組織 その1(残留農薬検査)

農協の系統組織によって農民が組織化されていたからこそ、上からの政策が個々の農民にまで徹底できたのである。

コメの生産調整の実施なども、農協系統組織なしには実現不可能だったといえよう。

いわば当局は、農協系統組織を育てることによって、農民管理の構造、支配の構造を作り上げたといえるであろう。

逆に系統農協は、行政の末端組織化していたことになる。

このように、官僚と系統農協は不可分離の関係を保ちながら、官僚主導の残留農薬検査済み農業構造を形成してきたのである。

残留農薬検査

中長期的食糧危機と環境問題 その6(残留農薬検査)

それはなぜなのであろうか。

その第一の理由としては、飼料を経営内で生産することが経済的に有利でない、ということをあげうるであろう。

それはこれまで見てきたような飼料政策に原因があった。

酪農などでは牛の生理的な要求から粗飼料の供給が不可欠で、そのため最低限の飼料生産を行ってきていたが、それさえ輸入乾草におきかわりつつあるのが現状である。

それは、環境という点から非常に重大な問題を引き起こしている。

残留農薬検査

中長期的食糧危機と環境問題 その5(残留農薬検査)

資本主義社会において経営が成り立つかどうかは、資本利益率の高さであろうが、私の1979(昭和54)年における斉藤陽一牧場での調査研究によれば、総資本利益率が12.8パーセント、自己資本利益率は21.8パーセントもあった。

これは当時の全酪農家平均の6.9パーセント、7.4パーセントをはるかに上回る数字で、「やま地」酪農の経済性の高さを示しているといえる。

にもかかわらず、この30年間で「やま地」酪農は普及・拡大するどころか、縮小・衰退している。

残留農薬検査

中長期的食糧危機と環境問題 その4(残留農薬検査)

残留農薬検査済み農業の多面的機能を重視しなければならない状況は、残留農薬検査済み農業そのもののあり方も問い直すよう迫るからである。

生産力重視の近代的思考から、環境との調和を重視する生態学的な思考が求められるようになっているのである。

もちろん資本主義経済体制をとる以上、いかに環境に調和していても、経済的に成り立たなければ、成立・存続は難しい。

とりわけ30年前には、環境に対する配慮などというものは一般には受け入れられるものではなかった。

しかし、「やま地」酪農は決して経済的にも劣ってはいなかった。

残留農薬検査

中長期的食糧危機と環境問題 その3(残留農薬検査)

また乳量増大が経営の改善に結びつくとされていた酪農界では、1頭当たり6000キロの時代に4000キロ台しか搾乳量がない「やま地」酪農が注目されることも少なかった。

「やま地」酪農が高知県でさかんになりはじめたことから、北海道から九州までこの酪農の先駆的な経営が点在していたにもかかわらず、雪の降らない温暖な地で成立する特異な形態という程度の評価しか受けなかったといってよい。

ところが30年経過した今日、シバ草地というものが注目を浴びるようになっている。

それがなぜかということを考えるとき、環境問題が浮かび上がってくる。

残留農薬検査

中長期的食糧危機と環境問題 その2(残留農薬検査)

畜種はホルスタインでよいが、歴代にわたる放牧適正牛の選抜と育成が重要視される。

また草地の方は、放牧地での蹄傷によっても生産量低下を最小限にくい止めることのできる、野シバを中心にして造成するよう指導が行われた。

そして何よりも日本の風土に適した在来の野草、メヒシバ、キンエノコログサ、ヤハズソウなどの利用が推奨された。

学会ではシバ草地は改良の必要な粗悪な草地とされていたのであるから、このような考え方が無視されたとしても不思議ではない。

残留農薬検査

中長期的食糧危機と環境問題 その1(残留農薬検査)

猶原は生態学の観点から、部分の生産力より全体としての調和、安定性こそ重要であると主張した。

いうまでもなく経営というものは、全体としての合理性がなければ持続不可能であり、経営全体が調和しながら生産力を高める必要がある。

したがって部分で劣位であっても、全体として優位であれば問題はない。

そこで「やま地」酪農では、放牧による搾乳量低下を少しでも抑え、安定的な生産量が得られる、放牧に適した健康な牛を育成する努力がされた。

残留農薬検査