日本の国際化で最も心配されるのは、外圧があったからといってなんの目安もなく、ずるずると批判をあびながら自由化していくことである。
国際化は、悪貨が良貨を駆逐する危険もともなっている。
将来の日本に好ましくない国際化要求は、比較文化的見地から十分説明し、議論を尽くして断る必要があろう。
とくに、日本のように特色のある文化をもつ国が、その文化の深層にある特色を国際化の名のもとに容易に捨て去っては世界文化の損失になる。
サービスの国際交渉では、文化の多様性や国内事情の相違を認識して、他国に自国の文化や制度を押しつけないことが基本的態度として必要と思われる。
その上で相互の問題点を認めて解決に努力するのが正しい姿勢であろう。