特殊毒性と一般毒性の大きな違いの1つは、毒物の投下量(摂取量)と毒性の発現・発症率の関係にいき(閾)値(しきい値ともいう)があるかないかです。
般毒性の場合、一定の量以下であれば毒性の発現(発症)がありません。
このことをいき(閾)値があるといいます。
これに対し特殊毒性の場合、どんなに微量であっても、投与量がゼロにならなければ毒性の発現があります。
これをいき値がないといいます。
こうしたことからアメリカでは58年、食品・医薬品・化粧品法に「ヒトまたは動物に対して発ガン性を示す物質は食品添加物としての使用を無条件に禁止する」という原則が取り入れられ、提案した国会議員の名前をとってデラニー条項と呼ばれてきました。
しかし96年8月、発ガンリスクゼロをめざしたデラニー条項が、無力にされる法案(食品品質保護法)が採択されました。