メーカーの毒性試験データさえ公開されない

この事件を通じて、政府が安全とする農薬の基準も発ガン性については、必ずしも安全といえないことがわかります。

発ガン性など遺伝子を傷つける特殊毒性を持つ農薬は、それがたとえどんなに微量であっても影響があるという特徴があります。

また、その毒性試験は動物実験ですが、実験動物と人間では毒物に対する反応が違いますから、動物実験で大丈夫といっても人間には毒である場合もあります。

したがって、農薬の毒性というまだまだ未知であり未解明の毒性に対しては、「疑わしい場合は使わない」という原則をつらぬく必要があるのではないでしょうか。

アメリカでは、発ガン性として使用が禁止されている農薬も、日本では使用されているものもあります。

ところがわが国では、メーカーがおこなう毒性試験データさえ公開されていません。

本当に安全かどうか国民が知る権利は保障されていない状態です。

農薬の安全性の問題でも、情報公開制度の確立と食品安全行政に国民参加を実現する課題が大きくクローズアップされています。

残留農薬検査