DDT、BHCという、すでにわが国では使用が禁止されて
久しい農薬ですが、その名前を聞くと、生まれながらに手や足のない子ザルが群れから離れて悲しげな目をしていた淡路島モンキーセンターの奇形ザルのことを思い出します。
モンキーセンターができて29年、その間生まれたニホンザル706頭の新生児のうち、125頭、17・7%に奇形が確認されました。
これは自然界の奇形発生率0・4%の40倍もの高率です(95年)。
死亡した奇形ザルを解剖した結果、内臓からBHC、ディルドリンなどが健常ザルの平均7・4倍もの値で検出されました。
奇形の子を産んだ母親ザルからは、ほかのメスの2倍の残留量が確認されています。
サルのエサには大豆や小麦が使われていますが、アメリカ産がほとんどです。
ところで食用のニワトリや牛などのエサも輸入飼料が圧倒的ですから、奇形ザルの警告を重く受け止めなければならないと思います。