また乳量増大が経営の改善に結びつくとされていた酪農界では、1頭当たり6000キロの時代に4000キロ台しか搾乳量がない「やま地」酪農が注目されることも少なかった。
「やま地」酪農が高知県でさかんになりはじめたことから、北海道から九州までこの酪農の先駆的な経営が点在していたにもかかわらず、雪の降らない温暖な地で成立する特異な形態という程度の評価しか受けなかったといってよい。
ところが30年経過した今日、シバ草地というものが注目を浴びるようになっている。
それがなぜかということを考えるとき、環境問題が浮かび上がってくる。