ファミリーレストランとの連携で、ブランド化に成功しつつあるケースはほかにもある。
鹿児島県産のキビナゴを使った「きびなごサラダ」は、ジョナサンの定番メニューだ。
キビナゴは九州で主に漁獲される小魚。
鹿児島県では刺し身として珍重されてきたが、取れ過ぎて余った分は、養殖魚のエサにされていた。
ファミリーレストランは最大の消費地、首都圏を中心に店舗展開するため、地場食材にとって知名度アップの最高の舞台ともなる。
鹿児島県の水産業関係者は「年間約九〇トンを使用してくれるだけでもありがたいのに、無料のPRもしてもらっているようなもの」とほくほく顔だ。
「地場食材の生産者側が加工、商品化してスーパーなどに持ち込む場合、売れなかった場合のリスクが大きい。
原料さえ持ち込めば、加工、調理までやってくれる外食チェーンは、この面でも産地にとって有望な販路」。
地域開発コンサルティング会社の東京工ーエムアール(東京.中央)の荒川浩社長はこうも話す。