ブイチン酸は玄米一〇〇グラムのなかに二四〇ミリグラムふくまれているが、同量の精白米には四一ミリグラムしかふくまれていないのである。
このブイチン酸の含有量の差が、玄米を安全な食品だと考えていい大きな理由なのである。
しかし、だから玄米には農薬が残留してもかまわないということではない。
食品衛生法に定められた農薬の残留基準をみてみよう。
単位をあらわすPPmとは濃度をあらわす単位で、一〇〇万分の一を意味する。
たとえば、玄米一グラムにつきBHCが一〇〇万分の一グラムふくまれていれば一PPmとなる。
玄米のBHCの残留基準量が○・二PPmだということは、玄米一グラム中に一〇〇〇万分のニグラム以上のBHCがふくまれていてはいけないということである。