また、食品分析表などにあらわされている数値も、一定の基準のもとにつくられている加工食品や、最初から添加物を加えている強化食品などを別にすれば、自然の物はその産地や時期などによって、異なることがある。
野菜を例にとると、その収穫期、天候、栽培法、土地の肥沃度、収穫してからの保存方法などによって、栄養素の含有量はちがっている。
太陽の光をいっぱいにあびて露地で育ったトマトと、冬に温室で栽培されたトマトでは、味も香りも異なるように、ビタミンの含有率もちがっている。
人間が生きているように食物も生きているのである。
栄養素やカロリーを考えるときは、データや数値は一つの基準だと考えて、健康にたいする感受性をみがき、どんな食物を、どのように、どれだけ食べるかを、自分自身で判断していかなければならないのである。