第六の栄養素、食物繊維 その1(残留農薬検査)

(5)食物繊維 タンパク質、必須アミノ酸、脂質、ビタミン、ミネラルを五大栄養素といっているが、最近では第六の栄養素として食物繊維が注目されている。

食物繊維とは、人の消化酵素では消化しきれない成分のことだ。

いままでは吸収されないため、不要のものと考えられてきたが、最近では腸のなかで他の栄養素の吸収を助けたり、ビタミンを合成したり、有害物を排泄したりするのに役立つ腸内細菌を活性化することがわかってきた。

また、血液中のコレステロールも腸内に食物繊維があると、これに吸着されて排泄されるが、逆に少ない場合はふたたび吸収され、動脈硬化や心筋こうそくの原因になる。

食物繊維は便秘や大腸ガンの予防にも欠かせない。

消化物(便)のカサを増し、腸の運動をうながすからだ。

このことによって、腸内における消化物の滞留時間は短くなり、発ガン物質や有害物の発生を防ぐことができる。

食物繊維というと、ゴボウやサツマイモ、青菜などを想像するが、これらは食物繊維のなかでもセルロースと呼ばれているもので、その他にも海藻の成分のアルギン酸、果物をジャムにしたとき固まる性質をもつペクチン、コンニャクにふくまれているグルコマンナン、ココアや切り干しダイコンの色素リグニンなども食物繊維の仲間だ。

食物繊維の摂取量は一日二〇~三〇グラム。

だが、日本人は平均一七・ニグラムしかとっていないのが現状だ。

というのは、穀物は精製され、野菜なども口当たりのいいように改良されているうえ、多量に摂取している肉、魚、卵、乳製品、果物にはあまり繊維質がふくまれていないからだ。

残留農薬検査