平成15年9月に開催されたメキシコ・カンクンにおけるWTO閣僚会議は、平成17年1月までの合意をめざして主要な交渉の枠組み(モダリティ)を決定する最大の山場であったが、結局は決裂に終わった。
農業問題の本格的な議論に入る前にシンガポール・イシューといわれた先進国の関心が強い投資ルール、競争政策、政府調達の透明化、貿易円滑化の4分野の問題で途上国が激しく反発し、全体の合意が見込めなかったためである。
また、焦点だった農業問題についても、途上国と先進国、さらにはわが国のような食料純輸入国が対立し、合意は難しかったとみられる。