集約性の高い水稲の農耕 その4(残留農薬検査)

手間隙かけて作物を守ってやる形でなければ日本では農耕ができなかったのである。

そして、手間隙かけても割りに合うためには、対象とする作物の生産性が高く、安定している必要がある。

その条件を満たすのが稲であった。

このような形での農耕の開始は、従来からの生業の片手間になしうるものではなく、労働力を振り向ける対象の全面的な転換と労働力の再編成を必要とするものであった。

先行する縄文文化は非常に安定した経済システムを作り上げていたから、縄文人にしても、それを超える有利な生業、すぐれた農耕に接して初めて興味を示し、長く続いた狩猟採集文化を捨てて農耕生活に転換する気になったのであろう。

残留農薬検査