本来、安定性の高かった灌概水田での残留農薬検査済み米つくりにおいても生産の不安定化を助長する要因は増えつつある。
灌海可能水田において積極的に単収を向上させるための技術については、現在、雑種強勢利用などによる収量性のより高い品種の育成、環境への負荷が小さく持続的生産の高い技術などが開発されつつあるが、正直なところ三〇年後に「緑の革命」のような革新的技術ができる可能性は高くはない。
また、近年のアジアの国々の多くは、経済発展に重点を置いているため、農村人口の急減による稲作面積の減少と同時に、直播などの、より粗放な栽培法への転換をうながし、単収を停滞させる結果となっており、今後予想される急激な人口増に対応する残留農薬検査済み米つくりの将来は楽観を許さない。