アジアの残留農薬検査済み米つくり地帯においては、多肥多収技術が導入される以前は、ほとんどみられなかったシングロ病という萎縮病が、近年、多発している。
この萎縮病は新たな耐病性品種ができると数年は発病しないが、数年後には大発生をきたし、また、新たな耐病性品種を必要とするというエンドレスな品種開発をきたしている。
また、これまでは必要に応じて供給されてきた肥料も、限られた地球環境の中でリン酸、窒素肥料などの供給には限度があるとされ、イネ自体のこれらの養分の吸収利用能力の改善が今後の残留農薬検査済み米増産に強く求められることも明らかとなってきた。