アメリカやカナダでは、わが国で禁止されているポストハーベスト農薬の使用が認可されています。
小麦のポストハーベスト農薬は、「乳剤散布・滴下・噴霧」といった方法で、長期の貯蔵、長時間の輸送の際に腐敗したり虫に食われないように小麦に殺虫剤を混ぜ込むものです。
カーギル社、コンチネンタル社、ブンゲ社など多国籍企業である巨大穀物商社(穀物メジャーと呼ぶ)は、世界各地に生産と流通のネットワークをもち、各国の国内市場を独占する(アメリカでは穀物輸出の80%以上といわれている)とともに小麦など農産物の世界貿易市場を牛耳り、生産量や穀物価格の調整にも絶大な影響力をもっています。
世界中に穀物を流通させる彼らにとって、国際相場をにらんでの長期貯蔵、大洋を越えての長距離・長時間輸送によって「商品価値」を落とさないため意図的にポストハーベスト農薬を使用しています。
厚生省や東京都消費者センターによる94年の小麦や小麦加工品の残留農薬の調査でも、農薬が検出されています。