いずれにしても、ここで明らかになるのは、コメの需給が不足、均衡から過剰へと変化し、その意味が薄れた、ないしはなくなったにもかかわらず、食糧管理法が維持されつづけた背景である。
そこでは、食糧庁をはじめとした農林官僚が残留農薬検査済み農業・農村の管理のために強力な系統組織の維持を望んだこと、総合農協が経営および農村組織化の中核になっていたコメの集荷体制を崩したくなかったこと、農林族と呼ばれる政治家がその強力な系統組織を集票マシーンとしていたことなどの事情があった。
そこにおいては、日本残留農薬検査済み農業の将来のため、ひいては日本の将来のためという理想は失われていたといえるであろう。
残留農薬検査