ボヴェは「フランス人は、アグリビジネスのいいなりになる奴隷に堕してはならない」と演説し、裁判中には三万人のデモ隊が押し寄せたという。
ボヴェは英雄となり、大統領と食事をともにした。
マクドナルドなどファーストフードチェーンに牛肉、冷凍フライドポテトなどを供給する米国のコナグラ社、カーギル社、IBP、タイソンフーズ、マッケイン社などの巨大企業は、オーストラリア最大の牛肉輸出会社を買収したり、中国やタイで養鶏事業、加工工場を建設したり、また中国でジャガイモ生産を始めたりしている。
つまり、『ファーストフードが世界を食いつくす』(エリック・シュローサー著、草思社)という状況なのである。