わが国経済は、一九六〇年代からの高度経済成長を経て急速に発展してきましたが、その過程で、農村は都市への豊富かつ良質な労働力の供給源としての役割を果たしてきました。
農業分野においては、六三年の農業基本法の制定により、農業生産の選択的拡大(畜産、果樹等の振興)が謳われ、農業経営の近代化による農業と他産業との所得の均衡を目指す政策展開が行われました。
しかしながら、コメを主体とする土地利用型農業については、規模拡大による経営の近代化は進まず、農家の兼業化、特に第二種兼業が一般的な農家の農業経営の形態となってきました。